Speaks vol.222
  <<今後の『スポーツ・ラーニング・スピークス』における軸となるテーマ!>>

思わず見入ってしまったテレビ番組があったので、
ここにご紹介します。

「スポーツからの学び」としてお伝えしている
『スポーツ・ラーニング・スピークス』ですが、
今後まさしく、軸となるような内容。

それはNHKの「クローズアップ現代」という番組で取り上げられていた、
「モヤモヤする力」です。

ビジネス、教育、医療、介護、環境問題、人間関係などなど、
今後さまざまな分野で必要とされる力であると、
番組では伝えられていました。

では一体、「モヤモヤする力」とは、
どういう力なのでしょうか?

私たちが生きているこの世の中では、
すぐに解決できない問題というのが、
結構多くありますよね。

たとえば「人生について」というのは、
誰しも一度は考えたことがある問題かもしれませんけれども、
いくら考えても答えが出ないから、
モヤモヤします。

この不確定な物事に対して耐える力こそ、
「モヤモヤする力」というわけです。

提唱したのは詩人のジョン・キーズという人で、
答えが出ない事態に耐える力を、
「ネガティブ・ケイパビリティ」と名付けました。

もちろん、スパッとすぐに答えが出るほうが、
気持ちいいに決まっています。

だけどビジネスにせよ教育にせよ医療にせよ介護にせよ環境問題にせよ人間関係にせよ、
答えが出ない問題ばかりを抱えて生きていくのが、
私たちの人生です。

「ネガティブ・ケイパビリティ」について、
多言語インターネット百科事典「Wikipedia」を紐解くと、
「不確実なものや未解決のものを受容する能力を記述した言葉(中略)。悩める現代人に最も必要と考えるのは『共感する』ことであり、この共感が成熟する過程で伴走し、容易に答えの出ない事態に耐えうる能力」と、定義付けられています。

一読するだけだと、この説明を理解するのは難しいですが、
「クローズアップ現代」では心理学者による実験を通じて、
噛み砕いた解説がなされていました。

「モヤモヤする力」が高い人と、
「モヤモヤする力」が低い人とにグループ分けをして、
課題を出します。

モヤモヤする力が低いグループというのは、
言い換えれば深く悩まず合理的かつ迅速に問題を解決しようとする人たちの集まった、
いわゆる「テキパキ組」で、
出題された課題について話し合ったり、スマホで検索したりして、
すぐに結論を導き出すことができました。

一般的には情報処理能力が高いなどと評価される、
いかにも「やり手」な印象の人たちのグループです。

一方の「モヤモヤ力」が高いグループは、
出題された課題に対するアイデアがなかなか出てきません。

一見するだけだと何も考えずに、
「とりあえず休憩でもしよっか」みたいに時間を無為に費やす、
ややもすれば「ノロマ」のレッテルを貼られそうな印象なのです。

だけどすぐに結論を導いて解決してしまわないぶん、
あとからあとから、今までにはなかったような斬新なアイデアを、
次から次へと出しまくるのです。

もちろんどちらにも一長一短があり、
バランスが大事と言えるでしょう。

その上で対比させると、
「テキパキ組」は既存の情報を、
素早くきれいにまとめるのが得意なだけであり、
一方の「モヤモヤ組」は時間はかかるかもしれないけれど、
面白いアイデアを生み出すポテンシャルが無限大と言えます。

さて、僕自身のこれまでの人生を顧みますと、
どちらかというとテキパキする活動は少なめで、
ずっとモヤモヤと考えて生きてきた人間だと思います。

だからこのテレビ番組を、
食い入るように視聴しました。

先述したとおり、
「スポーツからの学び」を伝える『スポーツ・ラーニング・スピークス』における、
今後の軸となるに値するテーマである「モヤモヤ力」。

次回からはこの「モヤモヤ力」に関して、
テニスや日常生活に即した、より実践的な話に踏み込んでいきます!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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