Speaks vol.227
<<その頑張りが、糧となる!>>
受験シーズン真っ只中ではないでしょうか。
英才教育の是非はさておき、
また合否もさることながら、
頑張った経験はのちのち糧になるという話です。
若かりしころの僕がアメリカへ、
テニス武者修行へ行っていたときのこと。
今になってようやく笑い話としても語れますが、
当時は練習がきつすぎて、
夜逃げしようと思ったこともありました。
いえ、思っただけではありません。
実際に荷物をパッキングして、
朝練が始まる前に逃げ出すところまで、
計画を実行に移したのです。
だけどここはアメリカ。
日本から遠く離れた異国の地です。
結局逃げ出す最後の勇気を振り絞れず、
時間になったから仕方がなく朝練に行っていたということが、
何度もあったのでした。
あのときほど自分を追い詰めた経験は、
それ以来、今に至るまでありません。
それによって、心身の耐性が培われたのでしょう。
だからこそ、度重なる事故や怪我、
あるいは失敗や挫折に見舞われても、
乗り越えられてきました。
「あの武者修行時代に比べれば!」という思いが、
今の自分を支えているのだと思います。
振り返るとあの経験から得られた気づきが多く、
今になって役立っていると顧みます。
もちろんだからといって、
何でもかんでもハードに追い込めばいい、
というわけではありません。
不本意なことをやり続けて、
心身ともに不調を来してしまっては、
元も子もないですからね。
だけど自分の好きなことならば、
とことんやればいいと思います。
今、何か上手くいかなくて、
かつての僕と同じように逃げ出したい思いでいる人も、
その頑張っている経験が、いつか役立つことがある。
一生懸命やった自負は、人生の無駄にはなりません。
いえ無駄にならないどころか、糧になる。
だれの人生も、山あり谷ありだと思います。
いいときばかりではないし、悪いときばかりでもない。
皆さんのなかにもきっと、
「あれはメチャクチャ頑張ったなぁ」という経験が、
一度や二度はあるのではないでしょうか。
今大変だとしても「それに比べれば!」と思い直せば、
乗り越えられるに違いありません。
モヤモヤすればいいんです。
不確実な状況に耐える力
「ネガティブ・ケイパビリティ」を試すチャンス。
結果や結論を焦ることなく、
考え続ければ考え続けるほど、
そこから得られる気づきは多いもの。
今はまだ分からないとしても、
その頑張った経験が巡り巡って、
のちの人生で役立つ糧となるはずです。
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広
さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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