Speaks vol.229
  <<「未知」の情報こそ、学ぶ価値がある!>>

前回のスピークスでは、
自分の知っている経験だけで「こうに違いない!」と結論づけて、
新しい情報を拒絶してしまう問題について指摘しました。

たとえば「ラケットを下から上へスイングしましょう」とアドバイスする。

だけど「それじゃあ、ボールが上へ行っちゃうんだよね」と、
自分の知っている経験だけで判断し、情報を受け取り拒否してしまう。

結果として2~3球打っただけで、
元の自分のスイングに戻るのを繰り返すから、
「いつも同じこと言われているよね~」などと囁かれる顛末なのです。

だけど、自分の知っている経験内だけで結論づけるならば、
何も新しい情報を学ぶ必要もなくなります。

今までの経験だけでは知り得なかった情報こそ、
学ぶ価値があるはずなのです。

だけどそれは自分の知らない「未知」だから、
「そんなの知らん!」とばかりに、
拒絶してしまいがちなのですね。

そこで前回のスピークスは「まず聞いてみる」と締めくくりました。

改めて、スピークスのvol.211~213を、
おさらいしてみたいと思います。

「聞く」「聴く」「訊く」「効く」がテーマでした。

覚えているでしょうか?

テニスで自分からコースや速さ、
あるいは深さや回転量などの情報を発信できるのは、サービスだけ。

ほかのショットはすべて、
情報を受け取る側としてプレーはスタートします。

そのプロセスは、以下のとおり。

1.相手が打ってきたショットがどちらサイドに来るのかの情報を「聞く」。

2.どのくらいのスピード、どのくらいの深さなのかなどを、より詳しく「聴く」。

3.自分で打ち返したショットによって、相手がどう反応・対応するかを「訊く」。

4.自分が打ち返したショットが「効く」ことを確かめる。

つい自分がどう打つかの、
情報を発信する「話す」ばかりになりがちなので、
そこを改めるとテニスが変わるという内容でした。

実はこれ、幅広く応用可能なんです。

テニスのレッスンに応用すると、次のような感じになるでしょう。

1.まずコーチの話を、未知の内容だとしても「聞く」。

2.その内容を咀嚼して理解できるように「聴く」。

3.試してどんな変化があったかを自問自答して「訊く」。

4.そのアドバイスが「効く」まで、「あーかな」「こーかな」と試行錯誤する(モヤモヤ力)。

こんな具合です。

だけどレッスン生のボリュームゾーンであるアラフィフ世代というと、
会社でも「お偉いさん」が多いから、アドバイスされると「心外だ!」とばかりに、
反感を覚えてしまう人もいます(笑)。

そうすると最初の「聞く」すら、
もう、できなくなってしまうんですね。

だけど「俺は社長だ!」が通用しないのが、テニスのいいところ。

身分や年齢などを取っ払える、フラットな関係でいられます。

これをたとえばお偉いさんなら、
仕事で活かしてみるのも、ひとつの手ではないでしょうか。

1.部下のたわいない話を、まず「聞く」。

2.その内容の重要度に応じて、より詳しく「聴く」。

3.上司として助言して、部下の反応を「訊く」。

4.ビジネスとして「効く」ところまで昇華させる。

といった具合でしょうか!

若い世代は自分たちが知らない情報を、
持っているかもしれません。

自分たちの経験だけで知っている内容以外の情報を、
学べるチャンスなのです。

最初は「未知」なので拒絶したくなるかもしれませんし、
あるいは上司の立場としても部下から学ぶにあたって、
プライドがうずくかもしれません。

しかしここはテニスと同様の精神で、フラットにいきましょう。

思わぬビジネスチャンスに恵まれるかもしれませんよ!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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