Speaks vol.188
  <<練習効果を高めるには、どうすればいい?>>

身体を動かすだけの運動を、
テクニックやスキルを身につけるための練習にするには、
どうすればよいでしょうか?

そのためには、
両者の違いを区別する必要があります。

結論から言うと、
無意識でやるのが運動で、
動作を意識しながら繰り返すのが練習です。

走るというと、単なる運動ですが、
競技として取り組む選手は、
骨盤の向きや、頭の位置などを、意識しながら走ります。

その意識の繰り返しにより、
テクニックやスキルが身につく練習になります。

逆に言えば、意識していない運動は、
練習の質が落ちるということ。
それはそもそも、練習ですらありません。

いくら練習しても上達しないとするならば、
「意識の有無」が関わっていると考えられます。

それともうひとつ、
「テーマのすり替え問題」があります。

上記のとおり練習が、意識した動作の繰り返しだとすると、
練習では、意識する対象となるテーマを持つことになります。

例えばフットワークを意識したボレー練習。
テーマはフットワークです。

取り組み始めた当初は、
スプリットステップや、足の踏み込みを意識し、
それを繰り返します。

しかしいつの間にか、
例えばラケットの振り方を意識して、
テーマがすり替わるのです。

するとフットワークがおろそかになるからそれを指摘すると、
「忘れていました!」と応える人がいますが、
忘れたのではなく、
テーマがフットワークからラケットワークへ、
すり替わったのです。

あるいは打ち方の練習をしているのに、
ボールの行方に意識が向いて、
テーマがすり替わったりするのです。

攻撃的に打つ練習をしているのに、
勝敗を意識してテーマがすり替わり、
守備的になってしまう、など。

意識しながら繰り返すのが、
テクニックやスキルを身につけるための練習なのだから、
意識がコロコロと変わってしまっては、練習になりません。

これは私たち指導者も、
注意しなければならない点でしょう。

ラケットワークの話をしている時に、
別の話もしてしまうと、
生徒の意識が分散してしまうので、
話すテーマはなるべく絞り込まなければなりません。

テニスに限った話でもなく、
例えば親が子どもに勉強を教えるとしても、
「あーしろ」「こーしろ」と複数のテーマを一度に与えすぎると、
子どもは何をしていいか、分からなくなってしまいます。

これも「一時が万事シリーズ」で、
上司が部下に仕事の指示をするときも、
奥さんが夫に家事を頼むときも、
あれこれ言い過ぎると、
テーマのすり替え問題が起こり、
まともな指導や指示、依頼にならなくなってしまいます。

では、どうすればいいか?
あえて、手薄感を認めるのです。
次回に続きます。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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