Speaks vol.168
  <<テニスは現場で起きている!>>

テニスには、フォア、バック、ボレー、サーブ、リターンなど、
目で見て分かるボールを打つための、いろんなショットがあります。

しかし「テニスとは?」と考えると、
自分から打ち始められるのは、サーブのみ。
他のすべてのショットは、相手が打つところからスタートします。

私はこの説明をするときに、
「現場で起きている話」というフレーズをよく使います。

現場で何が起きているのかの視野はマクロ。
つまり、広く全体を見ているのです。

ところが生徒さんたちはというと往々にして、
「自分はフォアを打ちたい!」「自分は強打したい!」という、
ミクロの狭い視野になってしまいがちです。

しかしこれでは、現場に出たら困ります。
なぜなら現場ではサーブ以外は、
相手が打ってくるボールがスタートなのですから。

そうであればまずは、
相手の打つ姿や、相手が打つボールを見るところから、
プレーをし始めなければなりません。
「自分はフォアを打ちたい!」「自分は強打したい!」ではなくて。

そうしないと「フォアハンドで打とう!」と思っていたとしても、
バック側の遠いところに相手のボールが飛んできたら、
フォアで打てないし、バックで打つ準備もできません。

「高い打点から強いボールを叩き込もう!」と思っていたとしても、
相手のボールが低く滑ってきたら、それは叶わない。

だけど大抵の人は、
「自分はフォアを打ちたい!」「自分は強打したい!」という、
現場を無視したやり方を遂行してしまうのです。

初級者と上級者の違い、
あるいは試合で負ける人と勝つ人との大きな違いのひとつは、
実はここにあります。

前者は「自分はこうしたい」という、「自分スタート」であり、
後者は「相手が打つ姿」や「相手の打つボール」を見る、
「相手スタート」でプレーしています。

現場で起きている話に基づき、
広い視野で俯瞰できるようになれば、ラリー力が上がります。
もっといえば、テニス力全体が格段に向上します。

では次回は、
どうすれば現場で起きている話に基づくテニスができるようになるのか、
具体的なプレーの仕方をご紹介します。

皆さんが想像するような、
強いショットやウイナーは、必要ありません。

むしろ逆の、相手に取らせるプレーにこそ、
もっと上達する、もっと勝てるようになるためのヒントが、
ギッシリと詰まっているのです!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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