Speaks vol.165
  <<ロジャー・フェデラーに近づくには?>>

前回は言語を映像化する、
ビジュアライゼーションの取り組みについてご紹介しました。

たとえば自分が、
「デュースサイドからスライスサービスを打って、
相手選手をワイドへ逃がす」といったイメージを、
正確かつ鮮明に描けるほど、脳は実際に経験した成功体験として錯覚するから、
上達が促されるという話でした。

これは、自分の目から、
コート前方を見た場合のイメージの描き方。

今回はもうひとつ別の映像化のやり方として、
他者の目から自分を見るイメージの描き方について紹介します。

結論から言えば、ロジャー・フェデラーの身体に、
自分の顔をくっつけて見るのです(笑)。

つまり、自分を外から見てイメージします。
そのイメージが正確かつ鮮明であるほど、
ご自身のスイングは、ロジャー・フェデラーに近づくはずですよね。

理想とするスイングが手に入ります。
そうはいっても、レッスンでコーチがデモンストレーションをして、
「完全コピー」できる生徒さんは全体の約2割。
6割は「大体」で、残りの2割は「別物」になります。

できない2割の人は前回お伝えした通り、
「サービスは、ああして、こうして」という説明を、
いつまでも言語化して繰り返しているのだと疑われます。

言語が映像化されていない。
そのせいで、ギクシャクし、
コーチのデモンストレーションとは「別物」のフォームになるのでしょう。

とはいえ映像化は、
トレーニングしだいで必ずできるようになります。

例えばスパイはカメラのごとく、パッと見たものをすぐに絵として、
正確に描けるようになるトレーニングをするのだと言います。
彼らも最初は、できなかったはず。
しかしトレーニングしだいでできるようになったのです。

サッカーの中田英寿選手は、幾何学的イメージ力に優れ、
いろんな形の絵を複数枚、瞬時に記憶して、
正確に再現できると言われます。

自分もサーブ&ボレーのビジュアライゼーションを、
何度も繰り返しました。
ネットに出れば、対戦相手の時間を奪えると言うけれど、
自分にとっても時間がなくなります。

そんな状況を想定し、ワイドにサービスを打って、
相手のリターンがストレートに返ってきたらバックボレーをクロスへ、
相手のリターンがクロスに返ってきたらフォアボレーをストレートへ、
などとパターンを繰り返し映像化したものでした。

また先述したように、
それをしている自分を外から見るビジュアライゼーションも交えると、
さらに効果的です。
つまりステファン・エドバーグの身体に、
自分の顔をくっつけて外から見るといった具合ですね。

「相手のリターンが、ストレートに返ってきたら……」
「クロスに返ってきたら……」などといちいち言語化するのと、
ビジュアルでイメージするのとでは、
どちらが素早くかつ正確な動きを再現できるかというと、
言うまでもなく後者です。

ぜひ、あこがれの選手の身体にご自身の顔をくっつけて、
映像化してみてください。

望ましい効果が期待できるに違いありません!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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