Speaks vol.161
  <<上達するには、頭を真っさらにして話を聞く>>

レッスンをしていて、
「もっとこうしてください」と生徒に伝えると、
「え、こんなに!」と驚かれることがよくあります。

例えばテイクバックする時に、
「もっと肩を入れてください」と指導します。
そして皆さん、それなりに肩を入れるのだけれど、不十分。

お伝えしているのは、「肩の上にアゴが乗るくらい」なのです。
そういうと、「自分はこれくらいだと思っていた」といって、
今まであったテイクバックの知識・概念に引きずられ、
動作にブレーキがかかっていたことが明らかになるのです。

もちろん「自分はこれくらいだと思っていた」という判断基準が、
テーマによっては人それぞれ違う場合も多々あります。

やや話が大きくなりますが、
例えば「成功する」というテーマの場合、
億万長者になれば、叶えられるかもしれません。

しかし往々にしてあるように、
億万長者にはなったけれど、
周りに人がいなくなるかもしれません。

反面、お金持ちにならなくても、
自分が好きなことをして生活できている状態を、
「成功」と判断することもできるでしょう。

しかしことテニスに関しては、
「自分はこれくらいだと思っていた」という判断基準は、
基本的に成り立ちません。

なぜなら「肩を入れる」「横向きになる」「ボールを見る」などに、
上記の成功例みたいなアレンジのしようはなくて、
客観的な正解があるからです。
「でも自分はこう思う」というアレンジはない。

では、「自分はこれくらいだと思っていた」、
あるいは「でも自分はこう思う」などという思いを克服するには、
一体どうすればいいでしょうか?

一度、頭を真っさらにして、コーチの話を聞ければよいのです。
頭を真っさらにして話を聞くとは、
今までに培ってた知識や概念と比較するのではなく、
言い換えれば「素直」に聞くのです。

今まで培ってきた知識、概念と比較しながら聞くのは、
分析を深めるようでいて、実は上達が停滞します。
なぜなら、「だって、今まではこうだったのに」という心理的抵抗感が生まれて、
行動や意志にブレーキがかかってしまうからです。

逆に言えば、今まで培ってきた知識や概念と比較することなく、
コーチの話をそのまま聞くだけというのが、いちばん上達するということ。

次回は、頭を真っさらにして話を聞き入れる結果、
上達が加速する人と、
逆に聞き入れられないために、
上達にブレーキがかかりやす人の違いについて説明。

これは、生徒というよりも、
指導者に求められるスキルかもしれません。
「サプライズを与える」というのが、
頭を真っさらにして聞いてもらうコツ。

次回、具体例を交えてお伝えします!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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