Speaks vol.156
  <<信念を曲げるのではなく、変化させる柔軟性>>

レッスンでは、
生徒さんたちが過去に経験してきた「こうであろう」と信じていることに対して、
私が新たに、真逆の情報を伝える場合があります。

すると皆さん、最初は「エッ!?」と驚く。
「今まで、前に振ると教わってきたのに、今度は後ろに引くの!?」と、
戸惑う様子も伺えます。

今までの経験により培われた固定観念に囚われてしまうと、
別の情報に対して拒絶反応を起こして、
新たなトライアルにブレーキをかけてしまいかねません。

しかし囚われずに、試しにやってみると(やってみるから)、
「何だ、この新しい感覚は!」という気づきがあるのです。

食べ物でも、「これとこれとは絶対に合わない!」と信じていた組み合わせが、
食べてみるとすごくマッチするといった例は枚挙にいとまがありません。

そういえば「ピザを醤油で食べる」という、
異色の投稿をしたブシャールのツイッターに対して、
キッコーマンの島田政直社長が実際に試してみたところ、
「食べてみたら、あなた(ブシャール)が正しいという結論に達しました」と、
意外なマッチングのエピソードを動画で公開しています。

自分では気づいていないだけで、新たに試してみれば、
相乗効果以上の結果が出る成功も少なくないはずです。

例えば先の平昌冬季オリンピックで金メダルを取った、
スピードスケートの小平奈緒選手は、
スケート大国のオランダへと単身で留学しました。

生来の彼女は控えめな性格で、
そんな大胆なトライアルは自他ともに予想だにしなかったと伝えられます。
しかも普通なら「まず言葉が通じないし……」という固定観念が出てきて、
ブレーキがかかってもおかしくありません。

しかしそんな固定観念を打破し、
新たなトライアルを試みたことで得られた結果はすでに周知のとおりです。

実はかくいう私もかつては、
テニスの技術に関して信じて疑わなかった固定観念があったのですが、
「とりあえずやってみよう」と試してみたら、
思いがけず新たな発見や成果があったりしたものです。

自分を信じる信念はあっていいけれど、信念を曲げるのではなく、
変化させる柔軟性があると、気づきを得やすくなるでしょう。

前回のスピークスでは、
羽生結弦、宇野昌磨の両選手によるプレッシャーの活かし方を紹介しましたが、
どちらかというと、彼らならではの離れ技。

しかし今回の小平選手による固定観念を打破して自分を変えるトライアルは、
多くの人が参考にできる汎用性の高いエピソードと言えます。

何も留学する必要はないけれど、
「エッ!?」という新たなトライアルに対して、
だまされたと思ってとりあえず試してみるのが、お勧めです!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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