Speaks vol.152
  <<意識の有無>>

先日、いつも身体を診てもらっている鍼灸の先生と、
イチローの去就について話す機会がありました。

球団は、契約を続けるのか?
それよりも、若い選手を取って育てるのか?

それはさておき会話は、
イチローに関する「あそこまでよくやるよね」という見解で一致。
というのもイチローは、めったに出ない「ランニングホームラン」に備えた練習を、
何年も続けてやっているというのです。

あと、外野フライをキャッチして、
相手のホームスチールを阻むノーバウンド送球「レーザービーム」の練習も。
ぶっつけ本番ではありません。

もちろん、ベースとなる練習もするけれど、
確率的にゼロに近いがゼロではないプレーも、きっちりと練習している。
ここには「意識」が関わっているというのが、最大のポイントだと思うのです。

一般的な選手は、ランニングホームランは出ないから、
練習はやらない=意識がない。
イチローは、ランニングホームランが出るかもしれないから、
練習する=意識がある。

この「意識の有無」こそが、あらゆる物事の上達に関わるキーワード。
このような視点から、数回にわたりスピークスを展開していきます。

あるテニスシーンの具体例を挙げると、パックハンドが苦手なので、
バック側のボールはフォアに回り込んで打つ選手がいるとします。
バックは入らないことが多く、フォアで大体のゲームメークをします。

そして回り込み切れずにバックでミスした時には、それを「なかったこと」にする。
ところが客観的に見て負ける時といえば決まって、
フォアが決まらない時ではなく、バック側を突かれた時なのです。

であれば、そこを「意識」しさえすれば結果は簡単に変わるというのに、
本人にしてみれば「なかったこと」にするから、気にならない。
つまり、意識がないのです。

よく「気づく」とか「気づきがある」などという言い方をしますが、
そこに気がなければ、気づけません。
気づくには、気づきを得るには、そこに意識が向かっている必要があるはずです。

イチローは、普通の選手だと気にしない領域にまで意識を及ばせているから、
他の選手よりも気づく量が多く、その質も高い。

イチローに比べて、自分の運動神経やセンス、才能を疑う前に、
「意識」の使い方を学んでみませんか?

ポイントを先に1つだけ言うと、
いろんなことを同時には意識できませんから、積み重ねが大切です。
テニスでいえば、ボールを見ることを意識しながら、
2軸を意識しながら、狙いを意識しながら、打ちます。

同時に意識はできません。
どこかを削って、意識の向け方を片寄らせる必要があります。
次回はより具体的な意識に関する方法論についてお伝えします。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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