Speaks vol.97
  <<苦手を克服するには?>>

自分にとって苦手意識があり、
うまくできないと思っていること、
誰しもひとつやふたつは、あるかもしれません。

テニスでいえば、「ボレーが苦手」など。
だけど、それは本当に苦手なのだろうかと、
一度振り返ってみることが大切です。

というのも、「苦手でうまくできない」と思い込んでいるものの中には、
単に「嫌い」というだけの場合も少なくないからです。

やれば結構うまくできるのだけど、
嫌いだからやっていないのかも。
本人が苦手だと思い込んでいるパターンが、非常に多いのです。

例えば本来ならば、ボレーはそんなに苦手じゃないはずなのに、
過去に大事な場面で一度ミスした記憶が強烈に残っているから、
「打たず嫌い」になっているだけ。

そう、「食わず嫌い」と同じです(笑)。
過去に一度食べた野菜の味が非常に悪くて、
もう食べられなくなっているのと同じ。

だけど、改めて実際に食べてみたら、
イメージとは裏腹に案外美味しくて、
体に良いという恩恵にもあずかれます。

テニスも、「打たず嫌い」のショットを試しに打ってみると、
案外うまく打てて、戦術にも効果的に組み込めたりするものです。

「苦手」という言葉に言い換えてはいるけれど、
本当は「嫌い」なだけかも。
だったら、「好き」になってみればいいのです!

本当の苦手を克服するのは大変ですが、
嫌いを好きになるのは簡単。
考え方しだいですから(笑)。

ボレーであれば、「スパーンとエースの取れるナイスショットを打ちたい!」
とイメージすれば、好ましい感情が生じます。
すると、ボレーに出たくなるから、
過去の一度のボレーミスにとらわれていた苦手のイメージは氷解するでしょう。

苦手と嫌いは別物。
「打たず嫌い」をなくせば、
あなたの可能性は、もっともっと広がります!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広