Speaks vol.52  <<我ままのススメ>>

我ままというのは、悪いイメージで捉えられがちですが、
テニスのレッスンを通じて人間観察をしていると、
我ままにさえなれていない人が少なくありません。

何度か申し上げているとおり、テニスは
「自分を知り、相手を知り、再び自分を知る」ことが大切。
ところがみんな、相手を知った時点で、自分を相手に合わせ、
それで終わってしまうのです。

我ままを、「我のまま」と捉えると、どうでしょう?
自分らしくプレーし、自分らしく生きてほしい。
ということで今回は、「我ままのススメ」がテーマです。

我ままになれない人というのは、
結局自分の言いたいことややりたいことを押し殺して、
他人に合わせ、そして他人に対してストレスを感じ続けています。

「この人は、自分のことをどう思っているのか?」などとばかり考えて、
自分の主張を控えてしまったりする。

たとえばテニスの練習でも、自分は苦手なバックハンドを練習したいけれど、
ボールが散らばっては相手の練習にならないと気遣い、
無難にフォアでつないでしまうような例。

もちろん、ハードヒットばかりでホームランの連発では問題。
だけど、大抵の人はそこまでの我まますら出せずに、
最初からバックハンドを打とうとせず、自分のやりたいことをやらないのです。

これでは、永遠にバックハンドがうまくならないですよね。
本来ならばハードヒットは控えるとしても、
その分丁寧に打つなどし、
そのやり取りの中で自分のやりたいことを獲得していくべきです。

「自分を知り、相手を知り、再び自分を知る」の考え方に基づけば、
最終的には自分がどうするべきかを知り、
その時々の状況をコントロールできなければならないのですから。

ダブルスの試合でもパートナーに遠慮して、
失敗したら悪いからと思い、
自分のテニスができずに消極的なプレーをしてしまう人がいます。

でも実際には、失敗など恐れずに、
どんどん打つ我ままな2人が組んだ方が、相手にしてみれば恐怖。
「我ままペア」は、間違いなく強いのです!

もちろん、「大事なシーンでは無理をしない」などのベースの約束事は、
きちんと決めておく必要はあるでしょう。
それさえ守っておけば、結果的に「我まま=我のまま」は、
うまくいく確率が断然高いと言えます。
少なくともストレスは感じにくいから、マイナスにはなりません。

自分を押し殺していては、成功は遠のきます。
ちょっと我ままになってみる。
我のままに生きてみる。
それだけで、何かしらの変化があなたに訪れるに違いありません。
次回は我ままに生きるための、より具体的な方法論についてお伝えします!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広