Speaks vol.196
  <<センスや才能よりも「○○」であれ !>>

さてタイトルの「○○」に入る言葉は、何でしょうか?

センスや才能よりも実用性の高いある要素について、
今回はお伝えしていきます。

前回は、「細かなところに気を配る」をテーマに、
スピークスをお届けしました。

ぶっちゃけ、私たちは同じカテゴリーの試合にエントリーするのですから、
出場選手のセンスや才能には、大差ありません。

環境だって、
真夏のハードコートは暑いといっても、
それは相手も同じ。

太陽のまぶしさや風の向きも、
テニスは奇数ゲームごとに規則的にエンドを入れ替えるのですから、
やっぱり条件は、相手も自分も同じです。

そんなイーブンの立場で勝敗の明暗を分けるとすれば、
ほんのわずかな差。

だからこそ、道具や技術、メンタル、戦術などにおいて、
より細かなところに気を配れれば、
アドバンテージを掌握できるのは、
自明の理と言えるでしょう。

とはいえ、ではそもそもどうすれば、
細かなところまで気を配れるようになるでしょうか?

「気を配りましょう」とお伝えしたところで、
何に気を配ればいいのか、
戸惑う人もいるかもしれません。

それは自分で気づく必要があるのですが、
自然と気を配れるようになるコツをご提案するとすれば、
「好きこそものの上手なれ」だと思います。

テニスを「5」だけ好きな人と、
「100」好きな人とでは、
気の使い方、気を使える量が、全然違うはずです。

テニスが好きで好きでたまらない人であれば、
ストリングの種類やテンションにも、自然と気を配ります。

それによって当然、
ボールの飛び方やスピン量、コントロールなどにも影響が及ぶから、
そこで、無頓着な人と、差が出ます。

風上からは飛びすぎるから、
高め(硬め)のテンションで張ったラケットで、
風下からは 飛びにくいから、
低め(緩め)のテンションで張ったラケットでプレーする使い分けを、
思いつくかもしれません。

もちろん、道具ばかりではありません。
テニスが好きな人は、テクニックの研究・研鑽にも抜かりがありませんし、
メンタルタフネスについても貪欲に学びます。

練習でも、既定の10球を打って終わる人と、
それだけでは納得・満足できずに、
好きで100球打つ人とでは、
長い目で見ればわずかな差が積もり積もって、
将来的には雲泥の差となって現れるはずです。

その差はセンスや才能というよりも、
「好きこそものの上手なれ」であり、
細かなところに気を配れる質と量の掛け合わせにあると、
言えるのではないでしょうか。

もちろんその途上には、
大変な苦労や、つらい経験もあるに違いないけれど、
それも含めて好きな人が伸びるのだと思います。

負けたナダルに敗因を尋ねると、
「勝つときもあれば、負けるときもあるよ」と答えます。

勝ったときはもちろんのこと、負けたときも、
テニスを嫌いにならずに、大好きなのだと思います。

フェデラーはベテランの域なのにモチベーションが高いのは、
「テニスを愛しているからだ」と公言し、
それについてメドベージェフは、
「彼なら50歳になってもウインブルドンを目指すだろう」と一目置きます。

野球でもイチローは、
引退しても「草野球で続けたい」というほど。

大谷翔平も、よっぽど好きでなければ、
二刀流なんて普通はやりません。

どちらかに集中しないと成功できないレベルの高さなのに、
「バッターもピッチャーもやりたい」だなんて、
職業というよりも、純粋に好きで楽しみたい少年野球の域といえます。

なので冒頭の問題の「○○」に入る言葉は、
センスや才能よりも「好き」であれ、でした。

センスや才能の有無を論じる以前に、
まずは好きの度合いを高める。

自然と細かいところに気を配れるようになって、
それがやがて、大きな差となって現れるはずです。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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