Speaks vol.197
  <<与える力>>

私たちテニスプレーヤーや、愛好家は、
基本的に同じカテゴリーの試合にエントリーするのだから、
出場選手のセンスや才能といった資質としての能力には大差ないと、
ここ最近のSpeaksではお伝えしてきました。

大差ないのだから勝敗を分けるのは、
つまるところ、小差。

具体的にいうと例えば、
風向きや、サーフェス、ガットのテンションなど、
細かなところへ気を配れるプレーヤーが、
結果として勝利を手に入れやすいという道理です。

そのためには、
「好きこそものの上手なれ」と言われるとおり、
取り組む対象が好きであるほど、
必然的に細かなところへ気を配りやすいから小差が積み重なって、
やがて雲泥の差になるという内容でした。

さて、テニスコーチを生業(なりわい)としている僕から言わせてもらうと、
レッスンに参加しているだれよりも、
テニスが好きだと自負しています(笑)。

テニスについての探究は、
テクニックから、フィジカル、メンタル、ギアに至るまで、
好きだから、とことんこだわります。

僕自身が好きでテニスをやっている姿勢を見せることで、
影響を与えたい。
これが今回のテーマ「与える力」です。

好きでテニスをしているから、
いろいろ考えて試行錯誤でき、
その中でシェアできそうなアイデアやヒントを、
こうしてSpeaksや、あるいは実地のレッスンにフィードバックし、
情報をギブするように努めています。

これは僕がギバーの場合。

立場を入れ替えて、考えてみます。
コロナ禍なので今は難しいですが、
それ以前、個人的によく通っていたレストランがあって、
そこのスタッフはみんな、料理をするのが大好き。

いつも新メニューについて探求していて、
ことあるごとに試作品を「サービスです!」といって、
提供してくれます。

テニス好きの僕が、
風向きや、サーフェス、ガットのテンションなど、
細かなところへ気を配るのと同様に、
料理好きのスタッフは、素材選びや、熟成加減、香りづけなど、
細部にわたりこだわっているに違いありません。

こういう姿勢を見せてもらえると、
プロフェッショナルとしての良い影響がギブされますし、
試行錯誤を重ねた料理だから、やっぱり味も絶品なのですね。

テニスコーチであれ、料理人であれ、
相手に与えるのが、プロ。

与えるからこそ、
その対価を得ます。

皆さんも社会人であれば、
何かしらの「プロ」であるはずなので、
その仕事が好きな姿勢やこだわりを、
伝えてみるといいかもしれませんね。

人事部なら、人が好き。
営業職なら、扱う商品に対する造詣が深い。
美容師なら、カットに生きがいを感じる。
農業なら、育てることを愛する、などでしょうか。

好きであれば、
細かなところまでより気を配れるようになるし、
工夫や挑戦へ積極的にもなるから、スキルも向上するでしょう。
それによってますます、
皆さんの「プロフェッショナル」に磨きがかかると思います!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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