Speaks vol.217
  <トライする動機は、何だって構わない>>

前回のスピークスでは、
「グッドハッスルのススメ!」をお届けしました。

何事も真剣に遊ぶことで、楽しくなるし、
気づきや学びも多くなるという内容でした。

たとえばサッカーワールドカップや、野球のWBCでは、
サポーターやファンにとってはエンターテイメントの遊びだったとはいえ、
真剣に応援したからこそ、あれほどまでに日本列島全体が盛り上がったのでした。

日々従事する仕事ですら、遊び心を持って真剣に取り組むと、
疲れるどころか、むしろやりがいを覚え、
プロセスを楽しめるから結果も出やすくなります。

「サボったほうがラク」と考えるのは、よくある勘違い。
それでは充実感をそこない、手を抜くほど、
仕事はツラくなるのです。

また遊び感覚でトライする場合、心理的ハードルが下がるので、
チャレンジしやすくなります。
遊び心があれば、何事にも着手しやすいというわけです。

極論すれば、何かを始めたりトライしたりする動機は、
何だって構わないでしょう。

一流のミュージシャンだって最初から、
「人の心に響く歌を届けたい」とかの壮大なテーマは、
持ち合わせていなかった。
当初の動機は「モテたいから」だったかもしれないのです(笑)。

僕がテニスのレッスンをするときにも、
生徒さんが取り組むには少しレベルが高いプレーをコーチとして提案すると、
「自分にはまだ無理っ!」といって、尻込みされるケースが少なくありません。

でも、それではもったいない。
トライする動機は、何だっていいのです。

それこそ「そのショットが打てるようになったらカッコイイ!」で、
全然構わないのではないでしょうか。

何しろ遊び心で取り組むほうが、気付きや学びが多くなるのだし、
プロセスを楽しめるぶん、結果も出やすいのですから。

ただし、「ただの遊び」ではいけません。
動機は何だって構わないのですけれども、
真剣さが伴うから、そこからさらに一歩前進します。

「ただのハッスル」ではなく、
あくまでも「グッドハッスル」であり、「真剣に遊ぶ」のです。

たとえばただの遊び感覚で出るポーチは、
ただ出るだけ。

確かにポーチに慣れていないプレーヤーにとっては、
トライする心理的ハードルは下がるかもしれないけれど、
気づきや学びは少なめです。

そうではなくて自分のなかに、
ポーチに出る明確な意図や、確かな意思があってトライするからこそ、
真剣味が増して、気づきや学びが多くなるのです。

振り返れば皆さんがテニスを始めた動機も、
当初は単に「モテたい」からだったかもしれません(笑)。

しかし真剣に取り組むほど楽しさや難しさについて知り、
見ているだけでは分からなかった競技としての深みが増したのではないでしょうか?

そしてアマチュアプレーヤーだとしても生徒さんによっては、
テニスが一生をかけて取り組む「ライフワーク」になるケースも、
決して少なくないのです。

たとえばコースを変えて狙うストレートも、
ただの遊び感覚で打とうとすると、
トライする心理的ハードルは確かに下がるでしょうけれども、
気づきや学びは少なめ。

そこから一歩前進するには、
どうすればいいでしょうか?

球種はフラット系で強打するのか、スライス系で際どく狙うのか、
あるいは相手前衛の頭上を抜く奇襲のストレートロブにするのか、
はたまたコースはどうやって隠すのかなどなど、
いろいろ試行錯誤して真剣に遊ぶと、
そのぶん気づきや学びがさらに多くなるといった具合です。

単に気まぐれで、ストレートへ打つのではありません。
意図や意志を持って、真剣に狙ってみてください。
1本のストレートの奥深さには、限りがありません。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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