Speaks vol.215
<<すべて価値ある物語>>
前回は「聞く・聴く・訊く・効く」の話から派生して、
課題や困難を克服する、大袈裟に言えば、
そういう生き方・生きざまにこそ価値がある、
という話をしました。
たとえばテニスの試合で、
「俺は緊張なんてしないから!」という初心者ほど、
はたから見ると、緊張しまくっている。
こういう人はたとえ耳障りだとしても、
他人からのアドバイスを聞き入れて、
緊張している自分の弱さを認めることが大事。
メンタルの課題を克服しようとする努力や姿勢に、
価値が生まれます。
これは、テニスの初心者に限った話ではありません。
レベルや分野を問わない普遍の話です。
短気の人がその性格を受け入れて心を改善しようとするのも、
ジャンプが怖くなったスケートの浅田真央さんが再び跳べるように挑戦するのも、
あるいは発症してしまったイップスを克服しようと取り組むのも、
すべて価値ある物語。
普遍の話だと、先述しました。
だからこれは、どんな人にも必ず当てはまるはずです。
受験生なら、合否などの結果はどうあれ、
勉強するプロセスに価値がある。
社会人なら、売り上げの結果はどうあれ、
営業や研究、開発、サービスに取り組むプロセスに価値がある。
そして私たちテニスプレーヤーであれば、
たとえば試合の結果はどうあれ、
エントリーしてファイトしてみるプロセスに価値がある。
もしも今、「上手くいかなかったらどうしよう…」などと、
結果(合否や、売り上げや、勝敗など)を気にして、
挑戦することを躊躇している何かがあるならば、
プロセスにフォーカスし、そこに「エイやっ!」と飛び込んでみてください。
「嫌だ」「怖い」「恥ずかしい」「だからやめる」などといって、
逃げてしまうのではなくて。
普遍の話なので、
もっと身近なプライベートな行動にも通用するでしょう。
ためらっていたけれど、気になっている人に声をかけてみるとか、
もう年だからとあきらめかけていたけれど、新しいスポーツを始めてみるとか、
気後れしていたけれど、電車で席を譲るとか。
そのプロセスが、すべて価値ある物語。
どんな些細と思える内容でも、構わないと思います。
その生きざまこそ、あなたの価値なのですから。
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広
さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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