Speaks vol.207
<<目的と目標>>
クレーキングことラファエル・ナダルが、
(今年も)全仏オープンで優勝したのは、
すでにご存知のとおり。
試合後の記者会見では、
「全仏14個目のタイトルについてどう思うか?」
「グランドスラム歴代最多となる22勝目をどう思うか?」
などという類の質問が、当然のごとく飛び交いました。
このような内容に対してナダルはいつも、
次のように応えます。
「記録のためにやっているわけじゃないよ」
「テニスが好きで、競い合うためにやっているんだ」
「記録」などという小さな枠ではなくて、
もっと広い視野で物事を捉えた、
ナダルの生きざまが感じられる受け応えといえるでしょう。
このやり取りは僕にとって、
改めて、「目的」と「目標」について、
考えさせられるエピソードでした。
試合に出る人は、
「勝つこと」を目的にしがちだけど、
実は勝つことは目的ではなく、
ただの目標なのではないでしょうか。
目的は何かといえば、
テニスを通じて勝負を楽しんだり、
日常に彩りを与えたり、
人生を豊かにしたりすること。
前人未到の記録を打ち立てたナタルが、
「記録のためではない」というのですから、
私たち一般人が「勝った負けた」と一喜一憂するさまは、
小さな話だと感じざるを得ません。
もしこれを読んでいる人のなかで、
「負けるのがみじめで試合に出るのをためらう」
という思いがあるのであれば、
視野を拡大するチャンス!
勝つことは、ただの目標。
もちろん試合に出る以上、勝利は目指すわけですが、
勝とうが負けようが、そこであなたのストーリーを終わりにせず、
さらに広い視野で人生のひとときを俯瞰してみると、
目的は違うところにあるのではないかと、
目の覚める思いがするはずです。
テニスに限った話ではありません。
仕事の目標は、売上を上げることかもしれないけれど、
それを目的にすると、
度を過ぎれば結果を出すためなら、
不正に手を染めるニュースなども散見されます。
テニスでは勝つためなら、
いわゆる芋ジャッジするようなもの。
これでは本来の好きでプレーする、楽しむ目的から、
むしろ遠ざかってしまいます。
仕事をする目的は、
幸せになるため、
家族や仲間を幸せにするため、
いわゆる「世のため人のため」というところまで、
枠を広げて視野を拡大すると、
取り組む姿勢やモチベーションも、
前向き・上向きになるに違いありません。
これは、人間としての大きさの話。
次回に続きます。
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広
さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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