Speaks vol.203
  <<北京オリンピックを振り返って>>

テニスのレッスンをしていると、
「何々さんはできるからいいよね」といったニュアンスの、
比較の話がたびたび生徒さんの間でささやかれます。

だけど当然ですが、できる人も、
最初からできたわけではありません。

できるようになる発見については、
次回のスピークスで詳しくお伝えするとして、
今回は先に行われた北京オリンピックを振り返り、
できる人になるための前提となる姿勢について、
得られた知見を皆さんとともにシェアしたいと思います。

選手たちのインタビューではよく、
「成長」というワードが聞かれました。

いわく「今大会で成長できた」
「成長するために厳しい練習もこなせた」
といった具合です。

メダルがどうこうというよりも、
競技する目的が、
自己の成長にフォーカスされていた印象。

もちろん本来の目的は、
「メダル」の獲得なのかもしれません。

「成長」を口にするのは、
結果を意識しすぎないようにするための、
メンタルコントロールとして言い換えている側面もあるのでしょう。

ただしメダルを取れるかどうかの結果については、
試合当日のバイオリズムや、対戦相手の調子、
または禁止薬物の有無や、スーツ規定に関する可否など、
さまざまな要素が複合的に絡み合い、
一筋縄ではいきません。

その点自分の成長は、
諸要素に左右されない、
「できる人」になるプロセスそのものといえます。

言うまでもなくオリンピック選手というのは、
その競技に携わる世界で最高峰の「できる人」たち。

そんな彼ら、彼女らでさえ、
「成長、成長」を連呼し、何かを探し、何かを求め、
すでに「できる人」なのに、
「もっとできる人」になるための努力を重ねます。

皆さんは、いかがでしょうか?

こういうと、
「オリンピアンと一般人とでは、レベルが違いすぎる!」と、
思われるかもしれません。

しかし成長のレベルは、
どこでも構わないのではないでしょうか?

成長しようとする姿勢そのものが大事だと、
選手たちのインタビューからは汲み取れました。

フィギュアスケートの羽生結弦選手が、
誰もやったことがない4回転アクセルに挑むのと、
テニスの週末プレーヤーが、
サーブをコンチネンタルグリップで打てるようになるのと、
両者の志す成長の価値は等価。

なぜなら羽生選手もスケート初心者のころは、
4回転半どころか、最も易しいトーループも、
できなかったはずなのですから。

どのステージを切り取っているかだけで、
赤ちゃんのころの成長も、学生時代の成長も、
大人になってからの成長も、成長は成長です。

ですからオリンピアンが口にする「成長」と、
あなたが志す「成長」の間に、
価値の違いなどありません。

ただし最後に断り書きをしておくと、
みんな「成長することはいい」と、
手放しに思うかもしれません。

確かに述べてきたようにいいのだけれど、
勢い余って「成長しなければならない」決めつけにも、
つながりかねないから注意が必要。

成長しなくても、
もちろん人権は尊重され、
人は自由に生きてよいはずです。

「成長しないとダメ!」とする極端な考え方ではなく、
逆に「成長しなくてもいい」立場も両方を認めると、
多面的な価値を見出せるでしょう。

ただしスポーツにおいては成長を志す姿勢を以って、
いろいろ学べるという話でした。

さて、ではどのようにしたら、
「できる人」へと成長を遂げられるでしょうか。

「できる人」と「できない人」を観察してその違いから導かれた、
テクニックとメンタルの両面に関わる発見を、
いよいよ次回のスピークスで公開します!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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