Speaks vol.202
  <<ストイックなイメージは目標達成を妨げる>>

前回のスピークスでは、大谷翔平選手による、
具体的かつ詳細な目標設定のあらましについてご紹介しました。

こういうエピソードを取り上げると、
読者の皆さんのなかには、
「何てストイックなんだ!」と驚く人も、
少なからずいるかもしれません。

挙句「自分には無理だ…」というあきらめの気持ちに、
させてしまいかねない危険も孕みそうです。

しかし、そうではないのです。
結論からいうと、本人は単に楽しんでやっているだけだから、
全然ストイックではないのです。

身近な実例を挙げてみます。
僕がレッスンを開催している馬込テニスクラブのレテには、
マラソンに勤しむスタッフがいます。

もともと野球をやっていたのですが、
フィットネス系のお客様に誘われて、
彼も走り始めたそうです。

1回目の完走タイムは4時間4分。
市民ランナーの初マラソンとして、
充分に速い記録です。

3回目の挑戦で、3時間台前半をマーク。
そこで市民ランナーにとっては憧れである、
3時間の壁を切る「サブスリー」を目標に掲げました。

その後、何回かのレースで記録は伸び悩みましたが、
練習内容を見直したり、禁酒にも取り組んだりして、
見事2時間55分でフィニッシュし、
目標を達成したのでした。

新型コロナウイルスの影響で、
本番のレース経験を満足に積めず、
出場大会を厳選するセレクションにも余念がなかったといいます。

こういう話をすると世間からは一様に、
「あの人、ストイックだわー」の一言で、
まとめられてしまいがちです。

ただし先述したとおり、
ストイックとは違います!

彼自身、楽しんで走っていて、
走らないと逆に気持ち悪いといいます。

それは彼が特殊なキャラクターだからではありません。
僕も春先にはランニングをしますが、
本人としては全然ストイックではないのです。

真夏の炎天下で1日中レッスンをするのに備えて、
生徒さんよりも先にバテてはいられないから、
スタミナを作るために走ります。

この好きなテニスの仕事に携わる以上は当たり前で、
ストイックではないのです。
むしろ炎天下でのレッスンを、
「楽」にするための措置。

それを他の分野の人たちが見たら、
「ストイックだわー」になるだけです。

ボディビルダーは極限まで筋肉を酷使して、
食事制限も徹底するから、
端から見ているとストイックに映ります。

しかし彼ら、彼女らにとっては、
心身を追い込むトレーニングやコンディショニングに、
「快感」すら覚えるそうです。

目標を立てて頑張ることと、
ストイックとは、全然違います。

ですから「自分には無理」と臆する人ほど、
積極的に今すぐ目標を立てて取り組むとよいでしょう。

掃除などでも、
やり始める前は大変そうに思えるとしても、
「窓を一転の曇りもない状態までピカピカにする!」など、
具体的かつ詳細な目標を掲げれば、
俄然やる気が出て、楽しくなるでしょう。

僕がテニスのギアに細かく気を配るのと同様に、
掃除道具や洗剤のチョイスなどにも、
きっとこだわりが深まるのではないでしょうか。

もちろん前々回にご紹介した「9マスシート」を使って、
掃除の項目を細分化し、
具体的プランやアクションに落とし込む作業も有効。

大変そうだからこそ、
目標を立てて達成する楽しみを、
ぜひ満喫してほしいと思います!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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