Speaks vol.199
  <<「超」能力開発法>>

前回のスピークスでは、
パラアスリートたちの「超」能力について取り上げました。

ハンデを負うと人間は、
それを補うためのほかの感覚が、
人並み以上に研ぎ澄まされるという話でした。

そもそも、見えている世界が違うという現実。
たとえば健常者だと、
視界には入っているにもかかわらず見えていない「段差」が、
車イスの人だと、否応なしに気づく。

目線を変えると見えないものが見えてくるのであり、
逆に言えばいつも同じ目線でいると、
普段は自分でも気づいていないだけで、
視野が狭くなっていると言い換えられます。

僕の場合は車イスに乗りたくて乗ったわけではなく、
交通事故にあって半強制的に乗らざるを得なくなったため、
そのような気づきを、たまたま得ることができました。

ほかにも視覚障害者が「点字」を読めるのは、
健常者からすればやはり、「超」能力。

視覚のハンデをカバーリングするために、
指先の触覚が鋭敏に研ぎ澄まされるとともに、
脳の読解能力が開発されて、
読めるようになるのだといいます。

目が見えている状態だと基本的にその能力は、
なかなか育まれにくいはずです。

では、そのような能力を健常者が開発するためには、
あえてハンデを負わなければならないのでしょうか?

もちろん不自由を強いられれば視野が広くなって、
いろんな気づきが得られるでしょう。

たとえば男性には、妊婦の気持ちが分からない。
これを理解するためにおなかに重りをつけて、
1日行動する体験学習があるそうです。

そしてほとんどの人が、
1日もたずに、途中で音を上げるそうです。

どれだけ妊婦が大変かは、
不都合を強いれば分かるようになり、
おもんぱかる視野も広がるでしょう。

そしてもうひとつ、
半強制的にそうせざるを得ないのとは真逆のベクトルで実は、
能力を開発する方法があります。

それが前々回のスピークスで取り上げた、
「どれだけ好きか」です。

その回では、レッスンに通ってくる生徒さんよりも、
コーチである僕の方がテニスの好き度は、
自信を持って遥かに高いとお伝えしました。

好きだからこそ、
ストリングのテンションやシューズのソールパターンなど、
細かなところにも自然と目が向きます。

試合中に、太陽の位置や風の向きなども、
否応なしに感じ取ります。

つまり好きが強まると、
見えないものが見えてくるから視野が広がるというのは、
ハンデを負って見えてくるのとは違う切り口による「超」能力開発法。

テニスの能力を育むには、好きになるのがいちばんです。
仕事も家事も勉強も、みんな同じではないでしょうか。
ぜひ、実践してみてください!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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