Speaks vol.194
<<本質を見極める>>
たくさん練習をしているというのに、
どうしてトップスピンが身につかないのだろう?
どうして試合に勝てないのだろう?
などなど、上手くいかないことって、あると思います。
同じような練習しかしていないにも関わらず、
トップスピンが身につく人もいれば、
試合で勝つ人もいるのに、
自分にはできないとしたら、
くやしい思いをするかもしれません。
ただし、ただくやしがっているだけでは、
当然、できるようになったり、
勝てるようになったりは、しません。
できなかったり勝てなかったりする理由を、
探ってみましょう。
ズバリ言うと、
本質を見失っているケースが、
多いのではないでしょうか。
「つべこべ言わず東大に行け!」のキャッチフレーズでお馴染みの、
人気ドラマ『ドラゴン桜』では、
東京大学の入試に合格するためには、
本質を見抜く力が問われるといいます。
東大に落ちる多くの不合格者は、
知識を詰め込む丸暗記などに、
時間や労力を費やす。
一方、東大に受かる一握りの合格者は、
試験問題が自分に何を問いかけているのか、
その本質をシンプルに見極める。
これはテニスを始め、
ありとあらゆる、仕事、家事、勉強、子育てなどに、
置き換えられる黄金律ではないでしょうか。
例えばテニスのフットワークについて、
ステップがいいのか、
走るのがいいのかを、
問われることがあります。
どちらでしょうか?
テニスのフットワークについて本質的なことをいえば、
「進めばいい」となるでしょう。
要は、遠いボールに近づければ、
あるいは、近すぎるボールから遠ざかれれば、
ステップであろうとランであろうと、
両方の手段を利用できます。
同じようにスタンスは、
オープンがいいのか、
スクエアがいいのか?
足は動くのだから、
オープンになったりスクエアになったりするのは、
変化した結果として、どちらもアリ。
ただし状況に応じて、
こういう場面ではオープンが、
こういう場面ではスクエアが、
傾向として多く使われるというのが本質です。
そうであるはずなのに、
表面的なスタンスの形ばかりを丸暗記しても、
柔軟な対応ができなくなって、
かえって上手くいかなくなります。
生徒のなかに、
素晴らしいフォアハンド打つAさんがいました。
なぜ、彼だけすごいのか?
「筋力があるからでは?」
「ラケットが違うんじゃないか?」
など、ほかの人は2次的なところに着目しがちですが、
コーチの目から察すると、彼だけ、準備が早いのです。
ほかの人はみんな動き出しが遅いのに、
Aさんだけがボールに合わせて始動し、
そして一気に振り切るから、いいボールが行っていました。
「準備して、動いて、振り切る」。
シンプルで当たり前すぎますが、
これがスイングの本質です。
冒頭の話に立ち返って、
何か上手くいかないことがあるとすれば、
ややもすれば複雑に考えすぎて、
表面的なところにとらわれるあまり、
本質を見失っているのかもしれません。
ただし本質というのは、シンプルであるがゆえに、
それを見極めるのが難しい。
表面的なものは、ひと目でわかりますが、
本質的なものは、目に見えにくいからです。
だけどそこをズバリ見極めることができれば、
テニスを始め、仕事であろうと、家事であろうと、
勉強であろうと、子育てであろうと、
上手くいくようになるはずです。
自分が今、取り組んでいる活動で、
上手くいかない伸び悩みや、スランプがあるとすれば、
もしかすると本質ではない何かにとらわれていると、
疑ってみるといいかもしれません。
コツは、最近よく話題にしている、
「要は~」です。
テニスの試合であれば、
「要は」勝てばいいのだから、
強打にとらわれる必要はありません。
ゴルフのプレーであれば、
「要は」少ない打数でラウンドできればいいのだから、
ドライバーの飛距離にとらわれる必要はありません。
「要は~」を、
本質を見極めるためのヒントとして、
役立ててみてはいかがでしょうか。
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広
さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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