Speaks vol.175
  <<決断により自分を知る>>

前回は、球数制限の話から始まり、
結論としては、「無理せず無理する」バランスが大事だという持論を展開しました。

制限が100球だとしても、
「100球投げれば、余裕があるけどハイ、終わり」でもなく、
「無理してでも根性で、100球以上投げるんだ!」でもなく。

その過程において、自分がどういう決断をするかで、
大げさに言えば、運命が変わってくるのです。

ですから、自分がどういう決断をするのか、してきたのかを、顧みるのは、
自分を知るよいきっかけになる。

役者の松本幸四郎は、
「今まで、何をやってきたかが大事ではなく、
今まで、どういう決断をしてきたかが大事」という趣旨の話をしていました。

色んな決断があったはずです。
思い切った決断もあれば、
悩んだ決断もあれば、
ビビッて消極的に下した決断もあったと思います。

いろいろあるけど、その決断を下したのは「自分」。
だから、どんな決断をしてきたかを顧みる作業が、
具体的な自分を知るための方法になります。

テニスでも大事なポイントで、
思い切った1stサーブを打つのか、
相手のバック側に丁寧に配球して、
次のボールをオープンスペースへ打つのかなどの決断を、
その時々のタイミングで、下してきたはずです。

その決断を通じて、
「自分は案外、大胆なところがあるな」とか、
「大事な場面で、消極的になりがちだ」とか、
あるいは、ダブルフォールトしてキレてしまい、
「暴力的な側面もあるんだ!」などと、推し量れたりする。

またはラリー練習ひとつとっても、
バックフェンスに直撃させてしまったりするのは、
技術力ウンヌン以前に、「決断」の話です。

「このくらいの力で打ったら、
コートに入ってラリーが継続する」といった具合に、
事前に、具体的に、「決断」して打てば、
バックフェンス直撃には、なり得ません。

どうしても技術的な話に紐づけたくなるけれど、
技術以前に自分がどんな「決断」をするかが、
練習の効率を高める上でも求められています。

テニスをはじめスポーツというのは、
決断に次ぐ決断の連続だから、
自分を知れる学びの場と言えます。

自分を知るために、テニスをする。
テニスをするために、自分を知る。
そのために、「無理せず無理する」さじ加減をバランスさせる。

そんな見方ができれば今後、
新たな違った展開が開けてくるかもしれません。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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