Speaks vol.170
  <<自分の限界を正しく知る>>

ケガの功名--。
追い詰められて反撃を試みる「手負い」ではありませんが、
ケガをしている時には案外「勝つ」ということを、
経験上、実感しています。

その理由を分析してみると、
「やるべきことがハッキリする」からでしょう。

ケガをしていない普段ならば、
バシッと強く打てたりする場面でも、
ケガをしていてはバシッと打てないから、
すべて「入れにいく」。

バシッと打とうか、打つまいかと、気持ちが揺らぐことなく、
もう「入れにいくしかない」明確な選択肢を実行するだけだから、
プレーに迷いがありません。

できないものは、できません。
できることを、やるだけです。
「自分の限界を正しく知る」ことが大切です。

ケガをして病院へ行くと、
大抵「治るまで休みなさい」と言い渡されます。

しかし、休むと筋力が落ちて、勘が鈍って、
痛みもなかなか癒えない場合が往々にしてある。
復帰に際しては休養する以前よりも、
パフォーマンスが落ちることも多々あります。

一方「自分の限界を正しく知る」立場ならば、
痛みはあるとしても、それと付き合い、向き合いながら、
「ここまではできるけど、これ以上はダメ」な折り合いが付けられます。

結果的に筋力や勘を損なわずに済み、
スムーズに復帰できるハイパフォーマンスが維持できることも多々あります。

そもそも不調であっても、
できれば「テニスを休みたくない」人が大半。

それならば、風邪をひいても家で寝込んでいるのではなく、
できる範囲で好きなテニスを楽しんでいる方が、
パフォーマンスが落ちる不安にさいなまれずに済み、
結果的に、風邪も早く治るかもしれません。

もちろん公式見解としては、
ケガや病気を患ったりしたら、
「まずは休んでしっかり治す」のがセオリー。

ですから今回の話は、
模範回答としてはお勧めできませんけれども(笑)、
合理性を踏まえれば、必ずしも悪くない話だと思うのです。

というのも私たちには「自己防衛本能」が備わっていて、
肉体はまだまだ動けるのに、
頭がそれよりもずっと手前で、
活動をセーブしてしまう安全装置が働くから。

しかし現状を突き抜け、さらなる進化成長を遂げるには、
この自己防衛本能を、時に突破する必要があるのです。

ケガや病気を患うと、自分の限界について思索が深まるから、
そんなブレークスルーのヒントに気づけるきっかけになる。

次回はこの自己防衛本能について具体的な説明を踏まえた上で、
「自分の限界を正しく知る」話を、一層深めていきます!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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