Speaks vol.154
<<意識する練習を繰り返して、実戦レベルへ高める>>
前回までで、上達とは、意識の向け方が分かるようになり、
そのコントロールができるようになることと、説明しました。
とはいえ、だからといって、
すぐにスキルを実戦レベルで使えるようになるわけではありません。
テニスのプレーに関する意識の向け方について一例を挙げると、
まず、パワーの源である体幹の使い方を意識します。
体幹の使い方を意識できたら、次に狙うコースを意識します。
最終的には、体幹の使い方については、意識しなくても、
狙えるようになるというプロセスを経ます。
ところが、体幹への意識の向け方が不十分であるにも関わらず、
狙う必要のある実戦に出ると、厳しくなってしまうのです。
別の例を挙げると、
アナウンサー志望の人が早口言葉の練習をしたりして、
話す意識を高めて原稿を読むスキルを身につけるとします。
練習では、十分上手に話せるようになったとしても、
実戦レベルの壁が立ちはだかります。
例えばその原稿を、カメラを向けられた状態で読む、
あるいは30秒ぴったりで読むなどという圧迫を受けると、
話す意識に集中できなくなって、読み違えたりしやすくなるそうです。
つまり、意識の向け方というのは、一筋縄ではいかない。
だから、意識する練習を繰り返して、
実戦レベルへ高めていくというのがポイントになります。
なのに上達が停滞する人は、
1回できたからといって、もう意識しなくなったり、
体幹の使い方に向ける意識が不十分なうちに、
狙うコースや結果を意識したりしてしまいがちです。
また初中級者には、練習ではそこそこ上手く打てるのに、
試合になると1回のバックアウトで、
アップアップしてしまう人がいます。
その原因は、練習なら「バックアウトしてもOK!」とばかりに、
何も意識せず、バカスカ打ちますが、
試合になると、途端にバックアウトのミスが意識されるからです。
その圧迫を受けて、アップアップする……。
ですから、試合でも練習の時のような実力を発揮するには、
練習の時から、バックアウトを意識しておくこと。
そうすれば、試合になってもアップアップすることなく、
落ち着いてプレーできるようになってきます。
それが、意識する練習を繰り返して、実践レベルへ高めるという、
今回のテーマの真意です。
これまでにも説明してきたことの繰り返しになりますが、
上達に関わるのは、運動神経やセンスではありません。
意識の向け方が分かるようになり、そのコントロールができるようになること。
意識は誰にでもありますので、
適切に練習すれば、誰でも必ず上達するのです。
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広
さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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