Speaks vol.139
  <<変換力>>

物事を置き換えて考える力、
これを「変換力」といいます。

このスピークスでは、
テニスを通じて日常生活で役立つ話をお伝えしていますが、
これがまさしく「変換力」の一例です。

何かひとつのことで上手くいったら、
その成果を応用して他のことでも成功させる可能性を、
「変換力」を用いれば高めることができます。

つまりテニスで培った成果を、
仕事や家事、勉強などにも活かす力です。

「変換力」がないと、
それぞれ違う分野で複数頑張る必要があるので、
かける労力は何倍もなり、大変になってしまいます。

「これはこれ」「それはそれ」と分け隔てせず、
自分が(主語)、する(述語)内容は同じでも、
「変換力」を用いれば目的語を変えるだけで済みます。

「私は、テニスを、頑張る」
「私は、仕事を、頑張る」

上記の例は、テニスで得た頑張る感覚を、
仕事にも応用して成果を上げようとする取り組みです。
これが叶えばとても効率的になり生産性が上がります!

子どもに「ゲームで遊んでばかりいないで勉強しなさい」と強いるのは非効率。
「変換力」を用いてみましょう。
「ゲームで見出した点を取る楽しさ、喜びを、勉強に応用してみては?」
このように導いてあげればよいのです。

商売をやっている人なら、お金を稼ぐのに頭を使うでしょう。
「稼ぐ」という述語は変わりません。
であればどうすればポイントを稼げるのか、
テニスで培った考え方を商売に応用すればよいのです。

テニスでは、自分を知り、相手を知り、再び自分を知れば、ポイントを稼げます。
であれば商売も、自分を知り、相手を知り、再び自分を知れば、お金を稼げます。

テニスでポイントを稼ぐ方法と、商売でお金を稼ぐ方法とを、
分け隔てて考えてしまうとそこにはまったく応用がなく、
スポーツからの学びが得られません。

ところがレッスン生のなかには「変換力」はおろか、
テニスにおいても、できるようになったかと思ったら、
またできなくなって後戻りするという人もいますね。

これは「要約力」が足りていないのです。
次回はこの「要約力」について詳しく説明します。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広