Speaks vol.132
  <<今すぐ変わることをやる>>

多くの人は、今すぐ結果を得たいと思っています。
だけど、結果を得るには、練習しなければなりません。
動作を反復して、身体に覚え込ませる必要があるのです。

つまり結果というのは、
必ず途中のプロセスを経てからでしか得られないのだけれど、
多くの人は先に得ようとしてしまいがちです。

ある課題ができないと、
「これは難しい……」といって諦める人がいますが、
その言葉を口にするのはまだ早い。
1~2回のトライアルで結果は出るものではないからです。

結果を得るには、良い・悪いは別にして、
あるいは、できる・できないも別にして、変化が必要です。

変化とは、今すぐやって変わるもの。
実は、これをやることで結果というのは後からついてきます。

例えばラケットを、
前ではなくて右へ振りましょうと指導することがあります。
上手く当たるか当たらないかは別として。

右へ振るのは、今すぐできますね。
これが、結果を得るために必要な変化です。

ところがほかの結果が気になるあまり
(ちゃんと当たるだろうかとか、コートに収まるだろうかとか)、
今やってすぐ変わる変化に着手できずにいると、
その先にあるはずの結果も得られません。

その際、自分が快適かどうかは置いておく。
今までと違ったことをするのですから、違和感も伴うでしょう。
その違和感こそ、実は変わるための大事なきっかけだったりします。

違和感があるからといって拒否すると、
もとの自分に戻りますから、当然何も変化せず結果は遠のきます。

今すぐ変わる何かを始めてください。
ボールをしっかり引きつけて打つには、どうすればよいでしょうか?

まず、ボールの方へ動くというのが今すぐできる変化。
次に引きつけるには、ボールをよく見なければならません。
よく見ることは、今すぐできます。
それらのプロセスを経て、引きつけて打つという結果を得ます。

良い・悪い、あるいは、できる・できないは別にして、
自分が今すぐ変化する話に目を向けてみると、
方向性は随分と違ってくるはず。

変化がなければ、現状維持です。
変化があれば、何かが変わります。
その変わるプロセスを経て、結果を得るのです。

今すぐ変われる何かに、今すぐ着手してみませんか?
その先に、大きな結果が待ち構えています。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広