Speaks vol.89 <<動機は不純で構わない>>
前回は、気が入っておらず、
試合に出るのに「負けにいくプレー」をしている人が、
潜在的にとてもたくさんいるというテーマの話をしました。
出場する試合に気が入っていない、
それは、その1試合のために
「こういう練習をしよう」
「こういう生活リズムを整えよう」
「こういう食生活に気を配ろう」という気を払う総量が、
結果として現れているという内容でした。
また、気のないプレーはビビリよりも悪い。
ビビリは気が入っている証拠で、
ビビリもせずに試合に負けてしまっているというのは、
「負けにいくプレー」をしているに他ならないと説明しました。
では、その最も根幹となる「気」ですが、
それを出したり持続させたりするには、
いったいどうすれば良いでしょうか?
「気を入れろ」「気を配れ」といっても、
その気の入れよう、配りようが分からなければ、
やはり気を使いようもありません。
これは、「いかにうまく動機付けできるか」により、
気の質も量も変わってくると説明できます。
ぶっちゃけ、動機は不純で構いません!
「テニスの試合に勝つ」という目標だけでは気が出ないのであれば、
「勝ったら賞品がもらえる!」
「勝ったらおいしいお酒が飲める!」
「勝ったらモテる!」など、なんでもOK(笑)
例えば若い男子がバンドを組んだら女子にモテる、でも構わないのです。
純粋に音楽を愛していなくても、
それでギターがメチャクチャ上手くなったら、素晴らしいじゃないですか!
そうしてギターがメチャメチャうまくなったら、
自然と音楽を愛する純な気持ちも芽生えるはず。
むしろ、いかに自分の気を出せるように、
想像力を働かせ、不純な動機付けを与えられるかが勝負といえます!
試合に勝てるようにと、体力作りのために、毎日走り込むのは大変。
でも、走っていれば体が引き締まって、スタイルも良くなるし、
走ったあとのビールもおいしくいただける。
もちろん、体力もついて試合にも勝てるという本来の目的が
達せられる可能性も高くなります。
それに、不純な動機がたくさんあると、
物事への取り組みが、楽しくなるじゃないですか!?
積極的な行動、前向きな姿勢で、
充実した日々を送れるに違いありません。
繰り返しますが、想像力を働かせ、
不純な動機をいかにでっちあげられるかが、勝負です。
何か気が乗らないことでも、このテクニックを知っておけば大丈夫。
どんなことでもあなたは乗り越えて行けます!
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広