Speaks vol.181
<<ウイルスの収束とテニスの上達>>
不要不急の外出を控えるようにと、
自粛する要請が、公に出ました。
今は、テニスもできません。
「それはストレスだ!」という人もなかにはいるけれど、
生きていればこそ、ストレスも感じます。
今は、テニスどころではなく、
命に関わる緊急事態に、
世界中が陥っています。
新型コロナウイルスを収束させるには、
何が必要でしょうか?
1人ひとりの意識です。
これもテニスと同じ話で、
皆さん「意識している」と、口では言うけれど、
できていない場合が多々あるようです。
例えば人と人との距離を2m以上離すソーシャルディスタンスも、
話題になった直後は実行するけれど、
いつの間に気づくと「忘れてた!」という人がいます。
意識していたら、
忘れるはずがありません。
「買い溜め、買い占めはけしからん!」とは言うけれど、
何を根拠にそういうのかというと、
「毎日スーパーで見ている!」と憤る人は、
まさに自分が当該者であると、気づいていないかもしれません。
先述したように、これはテニスの上達と同じ話です。
例えばスイングについてアドバイスを聞いた直後であれば、
意識して、できるようになる。
しかし何球か打っているうちに、
気づいたら「忘れてた!」という事態に陥るのです。
なぜ、そうなるかというと、
意識するのは、結構疲れるからです。
それよりも思考停止状態になった方が、よっぽどラク。
だから、意識しなくなります。
しかしたとえ疲れるとしても、
テニスなら上達する、
新型コロナウイルスなら収束させるという、
目的を叶えるためには、意識するしかありません。
ラクだからといって何も考えずに生きていると、
死んでしまうのです。
両者は、「上達」と「収束」という意味では、
別物かもしれないけれど、志すところは同じです。
ソーシャルディスタンスや、
不要不急の外出を控えて人との接触を8割減らす、
あるいは、スーパーは3日1回程度などは、
1人ひとりが意識しないと、できないのではないでしょうか。
今までは、テニスを通じて、
上達を叶えるための意識の使い方を学んできました。
その知恵を、
今こそ1人ひとりがしっかりと活用するならば、
新型コロナウイルスに見舞われたこの難局も、
乗り越えられるはずです。
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広