Speaks vol.114
  <<観る力>>

テニスの練習メニューといえば、
たいてい、同じドリルの繰り返しです。

やっているドリルの内容は、変わりません。
だけどやっている人の中身が変わっていく。
結論からいうと、そういう成長の仕方がグッドです。

だけど同じドリルをやっていても、
そうやって成長する人もいれば、成長しない人もいます。
成長しない人は「このドリルはやめよう」というようになって、継続することが
できません。
ドリルを取っ替え引っ替えしても、その人の中身が変わらなければ、成長しない
のです。

同じドリルをやるにしても、人により意識することは違います。
この意識の持ちようによって、無限の気づきが得られるのです。
同じドリルについて、いろんな観方ができるようになるから、その分上達します。

そういう意味では、取り組むこと自体はシンプルでもよい。
だけど繰り返し継続する中で、気づきを得て、
いろんな観方ができるようになることが成長です。

たまに「同じことをやっていても意味もがない」とぼやく人がいますが、
そういう人は、やることを変えるだけで、自分は変わらない傾向。
「継続は力」と言いますが、同じことを継続するから力になるのです。

今回の話は、「毎日が同じ生活で飽き飽きしている」という人にもお勧めです
(笑)。
どんなに生活パターンを変えてみても、そういう人は、いずれ飽き飽きするで
しょう。
もちろん、ある程度の変化はつけられるとしても、それほど多くのバリエーショ
ンは求められません。

だけど、ひとつのものに対する観方は無限にあります。
そんな意識の持ちようで毎日を過ごせば、
飽き飽きするなどということはなく、充実した生活が送れるようになると思います。
いろんな観方ができるようになることで、人間としての幅も広がるに違いありま
せん!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広