Speaks vol.69  <<考えることを放棄しない>>

「人間は考える葦である」といったのは、
思想家・数学者であるブレーズ・パスカルでした。

人間は、自然界の中では弱い存在かもしれません。
だけど「考える」ことができる強みがあります。
人間は考えることで、他の生物にはない進化・成長を遂げてきました。

あなたは、考えていますか?
考えることを放棄していませんか?
ここに、うまくいく人といかない人の差が出ます。

問題に直面した時に、粘り強く考え続けられるかどうか。
面倒くさいからといって、すぐに「やーめた」と放り出さないかどうか。
この、思考に対する小さな違いが、やがては大きな結果となって現れるのです。

そもそもうまくいっている人というのは、
基本的にいつも、「自分を疑う姿勢」があると言います。
現状の自分に、慢心、満足しない。
ある程度OKだったとしても、より良くするにはどうすればいいかを絶えず考え、
突き進んでいく感覚があるのです。

アジアのある著名な音楽家は、
グラミー賞を何度も受賞するような腕前の持ち主。
だけど「自分がうまいと思ったことはない」とのこと。
まだまだ欠点があるから、もっとうまくなれるようにするにはどうすればいいかを、
常に「考えている」のだそうです。

勝負やビジネスの場においても、考えられる人は強い。
それは、相手よりも常に「先手を打てる」という理由によります。
「こういう作戦でいこう」と、頭を使って策略できる。
「ビジネスは、前倒しで仕事をすべきだ」と言いますが、
先手を打つことで、相手よりも先んじることができたり、
余裕を持って事に当たれたりするようになります。

考えない人は、常に後手です。
相手にやられてから、どうしようかと対応を迫られる。
これでは余裕がなく、いっぱいいっぱいで、ますます考えられなくなるでしょう。

「先手必勝」という言葉があります。
「先手必勝」とは言い換えれば、先手を打つためには
何をどうするかについて「考える」ということ。

何か物事に当たる時には、
常に前倒しでできることは何かを考え、
先手必勝で望むようにしてください。
素晴らしい効果が期待できるに違いありません!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広