Speaks vol.239
<<「中心視野」or「周辺視野」、あなたはどっち?>>
前回のスピークスでは、
改めて「見る」について取り上げました。
あまりにも当たり前すぎることだから、
普段はほとんど意識されません。
とはいえ自分が打った飛んでいくボールや、
それに対応する相手の態勢、ポジション、
そして相手から飛んでくるボールも「見る」からこそ、
認知、判断するプロセスを踏むことができる。
だからその結果として、
望むナイスショットも得やすくなるのでしたね。
今回は諸説あるからまだ科学的にはよく分かっていないけれど、
意外に思える話と僕の実体験から「見る」をテーマに、
テニス上達のヒントをお伝えできればと思います。
一般的にはボールを見るのは「中心視野」、
コート全体や対戦相手、どこを狙うかなどのコースは、
「周辺視野」で見ると説明されます。
しかしテニスのロジャー・フェデラー、
あるいは野球のイチローのレジェンド2人は、
全部を「周辺視野」で見ているのだとか。
言い換えればボールを、
「中心視野」で見ていない。
本人たちに直接聞いたわけではないけれど、
僕の体感値としても十分に納得のいくところです。
というのも実はかくいう僕も、
ボールを見すぎるきらいがあるのだけれど、
前方を広い視野で見ておいて、
その中でボールが動いている見方のほうが、
テニスの調子がいい。
たとえば一般的には明るい日中に比べて、
「ナイターはプレーしづらい」と言われます。
だけどボールを凝視せず、
「周辺視野」の中で動くボールを見るようにすると、
意外にもプレーしやすいのです!
相手がどうなっているのかの態勢やポジション、
行われているスイングの種類や鋭さなどの、
自分が打つ手前の情報については遠くのことだから、
「周辺視野」でオーケーと体感されます。
これで十分。
そして飛んでくるボールは近づいてくるから、
「周辺視野」で見ておいてもぼやけず、
しっかり見えてきます。
状況を認知して判断するプロセスに重要なのは、
体感値として「中心視野」ではなく「周辺視野」。
狭く見ると確かにボール「だけ」はよく見えるかもしれないけれど、
距離感やスピード感は感じにくく、
プロセスの遂行が難しくなる印象です。
言い換えれば「広い視野」で物事を見ると、
認知と判断が適切に行えるから、
行き詰まっていたと思えても案外、
打開策が見つかって上手くいったりします。
「ボールはよく見ているつもりなんだけど、
テニスの上達に伸び悩みを感じている……」
そんな方は「周辺視野」の見方を試してみると、
もしかすると突破口を見い出せるかもしれません。
ちなみに痛めた僕の肩も、
もうダメでだましだましやるしかないと諦めかけて、
物事を考える視野が狭まっていた時期がありました。
そんなときにはややもすれば、
絶望的な気持ちにもなります。
ところが打ち方を工夫したり、
今までやったことのない動かし方をしたりするプロセスを重視して、
視野を広くしてみると、かなり回復したのです。
もちろん、結果はどうなるか分かりません。
この不確実な状況に耐える力が以前にお伝えした、
「ネガティブ・ケイパビリティ」ですね。
テニスは学びの宝庫です!
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広
さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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