Speaks vol.44  <<結果を出すには>>

自信とは、自分自身を信じること。
それは、勝ったり成功したりすれば得られるという結果に依存するものではなく、
自分を信じて物事に取り組んでいれば、
自然とよい結果を生み出すものであるという話を前回はしました。

勝てば自信がつくのではなく、
自信があるから勝てるようになるというプロセスです。

今回は、自分自身を信じて頑張っているけれど、
それでもよい結果が出ない場合にはどうすればいいかというのがテーマです。

信念を持って物事に取り組んでいるのに、結果が出ない場合の対処法。
闇雲に、根性と努力で頑張るだけでは、まったく効率的ではありません。
現状に確実に変化を起こすには、
「やり方そのものが違っているんじゃないか」と、考え直してみることです。

テニスでいえば、「スピンサーブはこうやって打つものだ」と信じていたそのやり方が、
実は違うのかもしれなかったと考え直してみると、突破口が見出せます。
もちろん、信じてやっていたことが違っていたのだと認めるのは、おもしろくないですが、
その違いを認められる姿勢も、自信を育んでいく過程では必要だと理解することが非常に大切です。

間違わない人はいません。
間違いを犯しながら、フィードバックを繰り返すことで、人は成長していきます。

また、「自分らしさ」がキーワードだと、前回言いました。
「自分らしさ」を存分に発揮することこそ、自信を獲得するための最重要項目です。
他人の見た目の部分をまねてばかりいたり、その意見に振り回されていたりすると、
自分が「無い」から、自信は持てません。

「自分らしさ」がよく分からなければ、人に聞いてみるというのがオススメです。
他人のほうが自分について、客観的に正しく本質を見抜いているケースのほうが多いくらい。
「自分らしさ」を見誤らなければ、自信が揺らぐこともありません。
だから見合った結果は必ずついてきます。

サーブ&ボレーが自分らしいプレーのはずなのに、
ストロークばかり打っているのは、やっぱりおかしい。
他人の強力なストロークにあこがれて、「自分らしさ」を見失っているんですね。
こういうことは、よくあります。
テニスに限らず、日常生活や仕事であっても同様。
他人を羨んだり、成功ばかりを求めたりすると、「自分らしさ」がなくなります。
その結果、自信はつきません。だから成功もしません。

まとめると、信念を持って物事に取り組み、
それでも結果が伴わなければ「自分らしさ」を再確認して、違うやり方でリトライする。
そして結果が出ても浮かれず、プロセスだと捉えて、「自分らしさ」を信じてやり続ける。

やることは実にシンプルです。
だけど、これこそ揺ぎない自信を育み、結果を出すための確実な方法になります。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広