Speaks vol.186
  <<一事が万事>>

テニスが上手くなりたい。
テニスの試合で勝ちたい。

そのためには、どうすればいいでしょうか?

たとえば、フォアハンドの打ち方を工夫する。
バックハンドのトップスピンを練習する。

もちろんそれらは有効ですが、普通です。
では、普通ではない結果を出す人は、どうしているのか?

こういう考え方もあるのではないでしょうか。

テニス以外のことをやる。
例えば、テニスのために「ランニング」をする。
テニスのために「トレーニング」をする。

これらは、コートでボールを打つ「テニスそのもの」ではないけれど、
ランニングやトレーニングはテニスに役立つから、取り入れるのです。

いえ、もっと言えば、
テニスそのものではないとしても、
上達するために「本」を読む。
強くなるために「食事」に気をつける。

それらは、ボールを打つテニスそのものではありません。
しかしそれらが上達や強化に、
つながる人は、つながるし、
つながらない人は、つながりません。

つながらない人は「なぜ本?」と思う。
つながる人は、通勤する時にエレベーターではなく、階段を使うのです。

この「意識の差」が、
普通ではない結果を生むのではないでしょうか。

転じてテニスで学んだ工夫や、駆け引き、メンタルを、
仕事や私生活にも応用できるはずです。

物事の共通点を抽出して、
考え方として使えるものに応用するやり方は、
テニスのために「ランニング」をしたり、
「本」を読んだりする話の裏返し。

応用できない人は、
「テニスはテニス!」「仕事は仕事!」「食事は食事!」と、
完全に違うものとしてセパレートしてしまう。

しかし両者がつながる人にとっては、
互いに応用し合えるのです。

極論すれば「テニスも仕事も一緒」です。

テニスをするように、仕事をするし、
仕事をするように、テニスをするのです。

あらゆる分野を分け隔ててしまうと、
それぞれに応用が利きません。
相乗効果が働きません。

ひとつずつを一所懸命はやるのですが、
分け隔てているから、つながらず、
普通の結果しか出ないから、もったいないのです。

普通ではない結果を出す人は「一事が万事」で、
それぞれに応用が利いて、相乗効果が働きます。

テニスで成功もすれば、
米ファッション誌にも登場、
人種差別抗議では世論に訴えて、
結果的に「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたりします。

次回は大坂なおみ選手の成長にも触れながら、
今回の話を掘り下げます。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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