Speaks vol.88 <<あなたもきっと、「負けにいくプレー」をしている!?>>

調子が良くないときというのは、どうしてもあります。
「いつもいつも絶好調!」というほうが異常(笑)。
かくいう自分も、直近の試合を振り返ってみると、
あまり良い内容ではありませんでした。

その原因は、プレー内容が受け身だったと分析できます。
相手が何か仕掛けてくるまで待って、ただ打ち返すテニスに終始。
もちろん、受け身を身上としているシコラーであればそれでも良いのですが、
自分の場合は違うものだから、結局「ああしよう」「こうしよう」というプラン
がないままに、
後手に回ってしまったのです。

一言でいえば「負けにいくプレー」をしてしまったということ。
皆さん、試合は当然勝ちにいくつもりで臨んでいると思いますが、
自分では気づかぬうちに「負けにいくプレー」を選択してしまっている人は、
実はかなり多いのです。

「負けにいくプレー」とは、自分はノープランで、
相手が仕掛けてくるまで何もしない、
あるいはせっかく流れが来そうになったとき、
自らそれを断ち切るようなテニスです。

思い当たる節はないですか?
勝てそうになったとたん、守りに入って、あるいはフト気が緩み、
それが仇となり逆転負けを食らってしまう。

そうなる原因のひとつは、
「気が入っていないから」という理由で説明できます。
その1試合のために、どれだけのことをしてきたかという話で、
「試合が近いからこういう練習をしよう」
「試合が近いから生活リズムを整えよう」
「試合が近いから食生活に気を配ろう」という気を払えた総量が、
結果に現れるということです。

気のないプレーが「負けにいくプレー」につながり、
実際に負けるのです。

よく、「ビビリは良くない」といいますが、
実は気がないよりは、ビビるほうが断然いい。
ビビるというのは、気が入っているからであり、
それでもビビリまくりながらも泥臭くプレーしたほうが、
まだ勝機はあるというもの。
負けたくない「気」があるからビビるわけで、良い兆候ともいえるのです。

申し上げたとおり、自分では気づいていない人が多いけれど、
「負けにいくプレー」で試合に臨んでいる人は、実際に非常に多くいます。
最近結果を出せていないあなたは、
ビビることすら、なくなっていないでしょうか?

そこに、調子を取り戻すヒントがあると思います!

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広