Speaks vol.111
  <<反省力>>

前回、「上達力」という話をしました。
ゴール目を設定し、そのプロセスを進みゆく歩みを止めなければ、
人は誰でも上達するという話でした。

しかし、ひとつ忘れてはいけないことがあります。
それが、「反省力」。

目標への道を進んでいるはずなのに、どうしても上達しないという人は、
その道が本当に正しいのかどうか、振り返ってみる勇気も必要なのです。
これが、「反省力」。

この作業は、人によっては本当に大変でしょう。
何しろ、今までやってきたことが「間違いだった」と認めてやり直すことになる
のですから。
そこでは、「間違っていた今までの自分が情けない!」
「努力してきた労力と時間がもったい!」
「またイチから始めなければならないなんて、ウンザリだ!」
「もう繰り返したくない!」などと、さまざまな負の感情が支配的になります。

しかしそれでも、嫌かもしれませんが、
「間違いだった」と認めるべきなのです。
そのままいつまでたって上手くいかないでいる方が、嫌。

「気づけて良かった!」と認めて振り返り、
やり直して新たな正しい道を進み行くのが「反省力」です。

今までのやり方や努力は間違いだったかもしれないけれど、
気づけた今は、それでラッキー。
人はいつでも、何度でも、やり直すことができます。
「反省力」を使って、ぜひなりたい理想の自分に近づけるように、道を進んでく
ださい。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広