Speaks vol.103
<<そもそも練習とは?>>
試合に出れば、勝敗は別として、
必ず課題が見つかるものです。
「バックハンドが思い切って打てなかった」
「フォアハンドのイージーミスが多かった」など。
そうやって見つかった課題を練習で克服するというのが、
試合と練習とを相互に結びつけた強くなるためのプロセスと言えます。
ところで、そもそも練習とは何でしょうか?
それは、「意識して繰り返すこと」。
エクササイズのような「運動」と、「練習」との違いは、
前者が「意識せず繰り返す」
後者は「意識して繰り返す」の、意識性にあります。
人によってはマラソン競技などは、
何も意識せずにただ走っているというふうに受け取られがちですが、
タイム、ペース、スパートをかけるタイミングなど、
意識しながら走っているという意味で「練習」なのです。
テニスにおいては、
試合で見つけた克服すべき課題を意識しながら練習するというのが、
最も効率がよくなります。
ところが10球の球出しをするとして、
最初の2~3球目までは課題を意識しているとしても、
後半の6~7球目くらいからは意識がなくなる、
あるいは他に移ってしまうというケースが非常に多いのです。
それは、打っているうちに、その結果を見るにつれ、
「あれも注意しなきゃ」
「これも注意しよう」と、意識が変わってしまうため。
しかし先述したように、
最も効率的なのは、試合で見つかった課題を意識して練習することです。
目の前の結果に振り回されることなく、
克服すべき課題を意識し続けながら練習することが、
次の試合で結果を出す秘訣と言えます。
解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広