Speaks vol.146
  <<取りこぼしをなくすには?>>

前回は、テニスのラリーはコミュニケーションであるとお伝えしました。
そうであるならば、自分が一方的にどんなボールを打つか、
どんな打ち方をするかばかりを考えるのではなく、
まずもって相手のボール情報をちゃんと「聞ける」ようになる必要があるという話でした。

一方的にしゃべりまくる、打ちまくるのは、コミュニケーション不全なのです。
ラリーを自ら途絶えさせてしまいます。

以上を踏まえた上で試合に勝利するにはどうすればいいかを考えると、

ズバリ、自分のエラーを減らすのが最も近道です。
テニスのポイントは、お互いのエラーが8割を占めると言われるからです。

どうしても、1発のウイナーに目を奪われがちですが、
確率論から言えばそのようなポイントが占める割合は、わずか2割以下。
だとすると、試合に勝つにはマシンガントークは不要(笑)。
むしろ相手の話を「聞いているだけ」でも、勝てるとさえ言えるでしょう。

つまり、自分からガムシャラになって仕かけなくても、
相手のボール情報を受け取って対応していれば、自ずと勝率はアップします。
しゃべりすぎるから相手のボール情報を聞けずに、
むしろ「口は災いの元」でエラーが多くなるため、自滅するのです。

もう少し踏み込んでご説明しましょう。
たとえば相手から思いのほか浅いボールが来たのに、
自分が前進せずにミスをした場合、多くの人は「分かっていたのに!」と言います。
つまり、相手のボールについて「聞けていた」と思い込んでいます。

しかし、聞けていなかったから、ミスしたのです。
実際には、ミスした結果「今のは浅かった」と分かった。

どういうことかというと、
相手のボール情報について認識している時間の位置が違うのです。
本来なら、リアルタイムで聞けていなければならないのに、
あとになったオフタイムで、情報を理解したのです。

つまり自分が話そうとばかりしているせいで、
相手の話があとになって思い出されるようなもの。

とはいえ、たくさんミスをしても構いません。
たくさん繰り返しているうちに相手のボール情報を、
リアルタイムでキャッチできるようになってきます。

また、リアルタイムとオフタイムの相違点を挙げると、
オフタイムの場合は相手のボールが「浅い」と言語で理解するのに対し、
リアルタイムの場合は言語が介在しません。
以心伝心ではないけれど、「察する」のです。

これができるようになると、勝てるはずの試合に負けなくなります。
いわゆる取りこぼしが減ってきます。

自分がどんなボールを打つか、
どんな打ち方をするかを「話す」ばかりではなく、
相手のボール情報を「聞く」ように心がけてみてください。
コミュニケーション能力が上がり、主導権を掌握できるようになります。

解説/スポーツラーニング・黒岩高徳
構成/テニスライター・吉田正広

さあ、このSpeaksを読んだらさっそく練習しましょう!!レッスンへGO!!
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